電子カードの端末機を設置し、労働者がカードをタグすれば、法が求める義務は履行されます。ところが現場で実際に問題になるのはその次です。同じ一日が電子カードに一度、現場の出役簿に一度、賃金台帳にもう一度残るのですが、この三つが互いに違うことがあります。
三つの記録が食い違うと、どちらが正しいのかを証明する手立てがなくなります。退職共済の申告も労務費の精算もその上に乗っているので、一緒に揺らぎます。
なぜ同じ一日が違う形で残るのか
記録をつくる人と時点が違うからです。
電子カードのタグは、労働者本人がゲートを通る瞬間に残します。出役簿は職長や現場管理者が、たいてい一日を終えて整理しながら書きます。賃金台帳は本社や労務担当が、月末に出役簿を受け取って作ります。
三つの記録の作成主体が違い、時差があるので、途中のどこかで一つでも抜ければそのまま差になります。そしてその差は、たいてい月末の締め直前に見つかります。
食い違う六つのパターン
現場で繰り返される類型は、だいたい決まっています。
- 出役簿にはあるのに電子カードのタグ記録がない — カードを持ってこなかった日、ゲートを迂回した日
- タグはあるのに出役簿に名前がない — 少し立ち寄っただけの日、別のチーム所属として処理された日
- タグと出役簿は合っているのに工数が違う — 半日作業を0.5と見るか1.0と見るかの基準が違った日
- 出役はあるのに賃金の支給内容がない — 精算で漏れたまま月をまたいだ日
- 契約単価と実際の支給単価が違う — チーム単価が変わったのに契約書が追いついていない場合
- 下請け会社の人員の一部だけタグが抜けている — 元請けが知らないまま申告の時点で表面化
六つとも、その日のうちに見つければ本人に直接聞いて解決できます。一か月が過ぎると、その人はすでに別の現場にいて確認する方法がありません。結局は記憶で合わせることになり、そうして合わせた数字は後から裏づけとして使いにくくなります。
毎日5分、二つの方向で確認する
突き合わせは難しい作業ではありません。大事なのは量ではなく周期です。
一日分はたいてい数件なので5分で終わります。これを先延ばしにすると月末には数百件になり、その時点では確認ではなく推定になります。
月末の締め前の最終点検
毎日回していても、締めの前に一度は全体を見ます。
- 今月の未処理の差が残っていないか、残っているなら理由が記録されているか
- 就労日数の合計が電子カード・出役簿・賃金台帳で同じか
- 契約書なしで出役した人、契約期間が終わった後に出役した人がいないか
- 申告対象の人員のうち漏れている人がいないか
韓国の退職共済は、事業主が共済会に就労日数を申告し、共済掛金を納付する仕組みです。労働者が後に退職共済金を受け取るには、共済掛金が252日以上、つまり1か月を21日分と見たときに納付月数12か月以上積み立てられている必要があります。現場で一日ずつ漏らした申告が、数年後にその労働者の受給資格を分けることになります。
なお、退職共済関係の成立申告は工事の実際の着工日から14日以内です。月ごとの申告期限は状況によって異なりうるので、建設勤労者共済会の案内を確認するほうが正確です。
記録を合わせるのではなく、最初から正しく残す
いくら上手に突き合わせても、それは事後の作業です。より良い方向は、三つの記録がそもそも同じ原本から出てくるようにすることです。
出勤確認を労働者本人が残し、その記録に工数と所属チームが付き、精算と申告が同じデータをそのまま使えば、突き合わせる対象そのものが減ります。残る差は、本当に確認が必要な件だけです。
コネクティンがスマート建設現場運営ソリューション「イリョンイ」で見ている地点もここです。電子カードを代替するのではなく、検証された就労記録を基準に、タグ・出役・工数・賃金が互いに合っているかを締めの前に毎日確認できるようにすること。一日の差を一日のうちに捕まえれば、月末に合わせ直すものが残りません。



